love and love(令由)







令ちゃん、大好き
好き、大好き、愛してる

うん、ありがとう由乃
私も好きだよ
由乃が、大好きだよ



ねえ、令ちゃん

ん?ああ、そこはそうじゃなくて
もう一つ戻ってみて。逆になってるでしょ?



由乃重くない?半分持とうか?

…大丈夫よ。令ちゃんの方が重いの持ってるじゃない

私は平気だもの

私だって平気よ。何よ令ちゃんの馬鹿!



…ごめん由乃、言い過ぎた

…しょうがないなあ。じゃ、許してあげる。後、紅茶飲みたいんだけど

うん、じゃあ入れて来るね。クッキー焼いてきたからお茶受けにしようか

令ちゃん

なに?


あのね、大好き






令ちゃんが好き。この世で一番好き。

両親よりもおじさんおばさんよりも同級生よりも。紅茶やクッキー、文庫本なんかよりずっとずっと、令ちゃんが大好き。
江利子さまや薔薇の館の仲間達や剣道部の部員と笑っている令ちゃんを見るとちょっぴり膨れて。その後令ちゃんの馬鹿!って叫びたくなるくらい令ちゃんが好き。そう、馬鹿って言うときですら令ちゃんのことは好きなの。



毎日のように言ってるから好きの魔法は薄く薄く伸びてしまっている。言って言われるのが当たり前、言われないと不安。馬鹿っていうと令ちゃんはほんのちょっとだけ傷ついた顔をするけれど後は微笑んでいるから。ほんのちょっとでも傷つけてしまったことが分かるから私もそこで言うのを止めて。ほとぼりが冷めた頃に好きって言うと、本当に嬉しそうに笑う令ちゃん。それで、まあいいか、と思えてしまうのよ。もっと不満なことはいっぱいあるのにそれをしたのが令ちゃんってだけで怒りは3割減。令ちゃんだから3割増って時も当然、あるんだけどね。



だから。胸の高鳴るような恋がしたかったなあ。って、責めるのはお門違い?令ちゃんとまっさらな状態から始めてみたいって、思うのは。
だって私にはこの世のどこに令ちゃんがいたって絶対に見つけ出せるって自信があるもの。運命に任せればコスモス文庫の領域だけど、私は意地と根性で探し出すの。いつやってくるか分からない運命なんか、信じていられないから。



我侭だって分かってはいるの。今こうやって令ちゃんが傍にいてくれるから言える、思える言葉だってことくらい。それでもこの我侭をやめてしまったら由乃じゃないんだもの。令ちゃんの大好きな由乃じゃなくなっちゃうの。だからこのまま。ねえ、これって矛盾?








由乃

なによ

好きだよ

…うん、私も

ご飯できたよ、食べよっか

うん、今日は何?

あれ、匂いで分からない?

分かるけど。令ちゃんの口から聞きたいの


ふふ。それじゃあご希望に応えまして。

今日は……







令ちゃんが好き。大好き。
だから今日も令ちゃんの横でそう教えるの。
時々は文句も言いながら。

明日も明後日もずっと令ちゃんと一緒にいてあげるために。



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