生まれ変わったら愛せない




……ストップ

…っ、…あ………え?

何、ホントに止まった?

は……しゅー、ちゃん

…うわ、

やっ……、さわら、ないで

なんで

止めて、らんなく、なっちゃうから

……んじゃ、抜けよ

ふっ…

イヤか?

ん……ううん。……んっ!

貸しな

あ……ふ、……っ、

ん……

は……ね、

んあ? ……っ、



……イヤがんねーのな

な、にが?

舐められんのも、そのアトのキスも、

ん、……ああ、……うん、
柊ちゃんと触れ合える方が、嬉しいもの。

…マジで?

…うん、これ「も」、ほんとう

……フーン

……も、いいの?

なにが

おあずけ

…どーして欲しい?

きいちゃうんだ、

確認される方が、スキだろ?

…そうでも、ないわよ?

ああ、違う、
同意の上で、ヤリたいだろ。

…ん、それも、
ちょっと違う、けど、……っく、

…続き、

あとで……じゃ、ダメ?

祈、

して。最後まで、

仰せのままに、お

なまえ、

…さえ、


正当な理由が抗議している。対する謝罪は誰でもわかる空々しさをもった、口だけのもの。
だって、が続く、好きなの、と笑う。そうできる、関係は、夢見たことさえなかったのに。
柊ちゃんの言う通りにしてしまうのは、私の言う通りにしてくれるから。思うままに、もつれ合えるから。
あとで、のはずの言い訳を、睦言を、考えられなどしないくらい。ねえ、はやく。








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何の為に夢はあるか(紗枝ナン・単発)




――あんたが好きだ

…ごめんなさ

だから

っ!?

好きなよーに、利用してくれて良い

…え?

そーゆーのなら、平気だろ?

……何が

あぁ、悪い。先走ったな。


警戒を浮かべる表情が、笑顔で無いことにホッとする。
仮面であることには変わりなくても。
取り繕いきれていないのが、怯えの中に求める目つき、期待の片鱗がちらつくのが、
あたしの自惚れで構わない。ただの錯覚だとは言わせない。


繰り返す。
あたしを利用しろ。祈。


そうしてこいつは、笑顔を無くした。
あたしの前でだけ。怒って、泣いて。苦しんで、悔やんで。
激情の名を欲しいままにした。傷つけることで、傷つきたかった。
血は赤い、鬱血痕はどす黒い。欲望は青白く、絶望は赤い。
知っていた。知らなかった。知りたくなかった。だから知れて良かった。
愛情は赤い。恋心はどす黒い。
欲望は青白く、絶望は赤い。














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くくられた愛(紗枝ナン・↑の続き)




きっちりと結ばれる蝶結びの根本の膨らみを、愛おしげになぞるこいつの表情が好きだ。

笑顔のカケラも見えない真顔でありながら、これ以上に満足を滲ませたモノを知らない。
ほどかないでね。ささやいてひそやかにかけられる体重が、一瞬前の躊躇と覚悟、それから揺れる、見通されるココロまでをあらわに伝えてくるのに。ついゴクリと唾を飲み込んじまうから、こいつはいつも勘違いをする。

――ありがとう。ごめんなさい。――だいすき。

ホンモノなどひとつもないと言い訳するために。前置きせんがために作り出したマヤカシの舞台で、ホンネばかりをつぶやいて。本気の思いばかりを、ぶつけられて。

動かない。動かさない。だから好きなだけ暴けば良い。

ご丁寧にタオルの上から巻かれてんだ、縛った痕すらつかない翌日に、目に見えねェモンばかりを残されて途方に暮れンだとわかっている。
それ以上の後悔に、こいつが押し潰されンだろうことを知って応じてんだ。それぐれェ受け入れなきゃ、嘘だろう。

嘘を欲しがるこいつに、くれてやるコトの出来ねェあたしが、まやかしの愛の代わりに差し出すこともしねぇままで仕舞い込んだ感情を。暴発させたくねえから縛られた両手に、今日も祈の唇が落ちる。














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妄想の墓場。
「生まれ変わったら愛せない」「何の為に夢はあるか」はreplaさまよりお借りしました。












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