ありあまったのは、なんだっけ（玲夕歩）






あきらはさぁ

…ん？

わたしが無茶しても、何も言わないんだね

…言って欲しいのか？

…ううん。
でも、

なんだよ。
…っ、

ふは、……あはは。

…おい、

ほら、今だってきれいなまま、

どーゆー意味だ。

わかってるくせに。

……

だって、あきら、他の人にはすごいおせっかいなのに、

…んなでもねーよ

そうなの。
だって、わたし、プロだよ？

はぁ？

世話を焼かれるの。
全然、嬉しくなんてないけど

うそだな。

…ふふ、あきらはふさいでくれないんだ

…そんなに安売りしねーし。

……っ！

おい、ゆうほ！
……っの！　…声も出ねえくらい笑ってんじゃねえよ！

あきらのケチ

うっせ

へたれー

言ってろ

…キスして

…おう。


心配など、しているに決まっている。
それでもなにも言わないのは、多少無茶をしてでも好きなことをやり通している、こいつが好きだから。
それから、本当にあたしの元に戻れなくなるような無茶はしないだろう、っつー、……なんつーか、……あー、……


一度ぶっ倒れてみろ。二度と離してやんねーし

うん。知ってる。
わたしが、わたしの限界、知らないと思う？

知ってでも無茶すんのがてめえだろうが

…わあ、ひさしぶりにてめえって言われた。

……おい、

うん、嬉しいよ？

あのなー……

乱暴な玲も好き。

…そういう風に言うな。

誤解、してくれる？

絶対、してやんねぇ

けち。

へーへー、

もっかいキス。

っ、

誕生日、おめでとう。

……今かよ……


ちゃんと、朝、メール送ったよ？
そう首を傾げる彼女を、あーそうな、夜中じゃなかったのは偉かったな、と、軽くいなしてやれば、まあ、予想を遥かに超えて拗ねられたものだから慌てた。
自分の誕生日に喧嘩とか冗談じゃねえ。ありがたいことにあっちでも同じように思ってくれたようで、小さな謝罪をお互いにして、それからは目線と声で小さなわがままを言い合って。
そしてもちろん、お互いに全力で叶え合った。







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神門誕2014。Happy Bithday!!
タイトルはふたりへのお題ったーよりお借りしました。