あいされてる、ということ
もう、口をつく拒絶が慰めになる頃合すら、とっくに通り過ぎていた。
や、あ…あっ、…ぁ、……っぐ、
ん、ぁ、あ、じゅ、…あ!
いっそ気を失いそうな気持ちよさにさっきから苛まれっぱなしだというのに、
その快楽のままに意識を手放すことが、どうしてもできない。
…めやっ、……ん、…
あ、…ぁあああ!
もうただの悲鳴に近しい自分の嬌声が遠く、震えと痙攣の渦に飲まれた痴態もろくに認識できないまま、
恥ずかしいことばばかりを垂れ流す口の端から滴る、唾液も汗も涙も混じった液体。
気持ちよすぎておかしくなる。そう懇願してからも、最早絶望的なまでの時間が過ぎた。
順に、だめ、と、言ってしまってから、もうどれだけか、
あ、ぁ……ぁぁ!
っ、――っ!
声が、遠い。
順の声が、耳元を擽るたびにびくびく跳ねて、ないて、鳴いて、
っ、は、……あ、
ぁあああ!
苦しそうな吐息も、食いしばった歯の隙間から溢れる喘ぎ声に近い呻きも、
順の持つそれらはとても遠いのに、ぐらぐらと揺さぶって、皮膚ごと抉り取られそうな快楽に振り回されっぱなしの私を、
もう、おかしくなる、なんて譫言すら、吐けない、私を、
!!
すき、……はぁっ、、…そめや、
…き…だ、よっ、………ゆか、……
ぎゅうと抱きしめる順は、私を捕まえておきたいわけでも捕らえようと思ってるわけでもなくて。
順だってもういい加減辛いだろうに、狂乱に近い私の肢体を、暴れるままにしておかないのは、反復すればするほど崩れていくところから、泣いても飛んでも離れてくれないのは、
ぜんぶ、ぜんぶ私のためだから。
……っふ、……ね、
…ん、……ねえ、
……やっ、……いっ!?
こんなときに、この、刺激。
弱いから駄目だって、いつも、繰り返し、言っているのに。
いつもばかみたいにお利口に、私のお願いをそのまま叶える順の、珍しい例外は、今日も例外のまま、私を苛んで。
………いやなの?
……ひゃっ、……っ、…やぁ、……むっ、
すき、と、返すことすらできない私を。
一度くらい。思うままに、食い散らかしてくれてもいいのに。
……やなら、やめるよ、
……やめ、ない、で。
望みながら請いながら、今日も、丁寧に蕩かし尽くされた私が、
意識すら飛ばせないまま、最愛の少女の腕の中で不格好に愛を呟く真似事をする。
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タイトルはふたりへのお題ったーよりお借りしました。
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