NTRを真面目に書いてみよう、という傍迷惑な試み。
if connected続き、のつもりが、あれは創作オチにしたことをすっかり忘れてまして、つまり、その、……パラレルです……(逃避)。
NTR・3P・低倫理……なんでもおkな方のみどうぞ。









ロータスイーターは安息を知らず、




先週の水曜日、何してたの?

……え?

順にちょっとした用事、頼んでたんだけど

あれは次の日解決させたじゃん?

何で次の日だったの?

何でって、染谷と会ったのが次の日だったから……

電話ではあんなに長い時間、話してたのに?

…っ?!

……夕歩、順の携帯、チェックしてるの?

しないよ、そんなこと。

じゃあ、

順、あの日、ドコで電話してたか、覚えてる?

っ!

……あなた、

周りに気を使わないなんて、順らしくない。
…そんなにすごかったの? ゆかり

な……

ゆ、ゆうほ!?

ふたりとも、今ならイイワケ、聞いてあげるけど?

……ごめんなさい、でも、

ゆかりが謝っちゃうの?
それじゃ、

違うわよ!
でも、

でも、なぁに?










がくがくと震える、身体。
あとほんの少し、紙一重の未来でようやく楽になれる果てにたどり着けるとはやる心、一足早い安堵、ふたりのあいだに生まれてしまった共犯めいた了解。
その見当違いを、息苦しくあついこの部屋で、いとも軽々しく踏みつけにして涼やかな声が響く。


…まだ、だめ


ひゅ、と息を呑んだのは、あたしの方だった。
そんな、なんで、もういいじゃない。
頭の中では渦巻きながら、それでも反射で指が止まる、ひどいあたしのせいで苦しげに浅い呼吸をくり返す染谷がぐたりと身を崩しながら、それでも小刻みに震え続ける。
……刷り込みって、怖い。
あたしも、あんたも、つい誰かの為に生きてしまう人間だから。自分の幸せを、寄生によって得てしまうお仲間だから。
だから今の染谷の心境は、とてもよく分かる。
夕歩の思惑より、感情より。ずっと。


…ゆかり? 大丈夫?

……ん、、……ふ、ぅっ……


夕歩があたしにとがめる視線をよこしたから、動かしてないよと小さく首を振る。あ、むしろ今のでちょっとだけ動いちゃったかな、びくんと揺れた染谷が不格好な呼吸に失敗して、喉に詰まらせたから、宥めるつもりで。少しでも彼女が楽になるように抱え直す。


落ち着いた?

…たぶん。


イキたいけれどイキたくない、すがりたいけれど出来はしない。
爪、立てられるのが好きだと知ってるからこそ焦らすとこでしか使わなかった、快楽の残滓に焙られ、葛藤であふれ返っているのだろう染谷の脳内を、揺さぶってぐしゃぐしゃにする覚悟を決めて、息苦しさを散らす深呼吸をするのは、この人への背徳。


じゃあ、

…ん、

…いっ! ……ぁ、あ……っ!


こんなに追い詰められ、たかぶらせられ、あつくぬれている染谷を抱きながら。それを命じる夕歩の声の方に、あたしをこんな風に使ってみせる彼女に、よっぽどか興奮させられてるあたしの指先ひとつで、跳ね上がる身体を抱きしめながら。
いかせてあげたいと思う気持ちと、でもこの状態の染谷をもっと可愛がっていたいという欲求と、あたし以上に彼女を楽しんでいるんだろう夕歩に、こんな風にぐっちゃぐちゃにされたいという、バカみたいな欲望が混ざって。
彼女の悲鳴のような締め付けを抵抗とも認識せずに、それでも2本の指は、知ったポイントを掻き撫でて行く。


……ひ、……っや、…ぅ……


ああ、そんなに首振っちゃ、またストップかけられちゃうよ。
心配しながら、口には出せないあたしが出来ることなんて、そんな余裕すらないくらいの快楽を彼女に与えてあげるのが精々で。


……かわいいなあ

…っ

ねぇ、もっと聞かせて?

うん、

――あ! ……ふっ、は……っは、……ぁっ!?


トバすつもりで、花芯を押し込んだ。
求め続けた解放、を一瞬で押し流す次の波を、与えるのは少し怖かったけれど。
想像よりずっと、染谷は蕩けた表情のままで、声にならない声を絞り出して快楽を散らそうとする姿はそもそも覚悟していたかのようでさえ、あって。
それを覚え込ませたひとの存在は、今は知りたくない、気づきたくないと。


ふうん、それって


夕歩が次に言う言葉を知っていながら願うあたしに降りかかる涙は、身勝手にも程がある彼女への感情で、あたしのエゴで。
あたしも染谷も、いつかこうなることを知っていたと思う。


槙さんに電話、かけてあげよっか?

や……、


染谷の今日初めての抵抗が、弱々しい声がはっきりと響き渡る、悪い夢。


好きなんでしょ?

ち、が……


血の気が引いたせいで尚更ダイレクトに刺さる、染谷の動揺と熱。



ゆうほ、

ん? 順がかける?


さっきまで抱えてたクッションの代わりに染谷のケータイを両手で持った姫。
来ないで、と彼女に対して思うのは久しぶりすぎて、頭が割れるように痛い。
ぐったりともたれかかってくる染谷が重石になって、余計に、……って、


…そめや?

あれ?


……あー、そっちのクセはそのまんまなんだ。
弱かったもんなぁ、槙さんは天然でやっちゃうタイプだろうしなあ。
女子会赤裸々トークなんかより、もっとずっとわかりやすい痕跡で、性癖の暴露。
本気で不思議がってる夕歩に手を伸ばし、彼女のケータイを奪おうとする。
だけどやっぱりというか当然というか、一歩下がるまでもなく避けられて、逆に夕歩の側から手が伸ばされる。
反動の余韻をやり過ごそうとがんばってる染谷に、彼女の本質を知らない指先が近づくのは、何故だかすごく、厭な気持ちになった。


それは、ダメだよ


今度の目論見は成功して、結局指と指を絡めたのは、あたしと夕歩。
……なんだかすごく、不格好だ。


今更なのに?

今更だから、


さわってしまったら、夕歩、戻れなくなっちゃうから。
嘘ではないはずのそのエゴは、掠れて揺れて、ただみっともなく室内を転がった。
返してもらえることなどないと知って指先に力をこめる原因となった感情を、今のあたしの願いと欲望を。
気づく余裕を彼女がまだもっていなければ良い。
そして何も知らないままのあなたが、ただ笑っていてくれますように。




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パラレルなので、染谷さんが抵抗しない理由とか、書かなくてもいいよね……姫様は最強だから逆らえないとかで、もう……
そんな姫が大好きです(捏造)。
そんな姫に無茶ぶりされ、苦労する人たちはもっと好きです(妄想)。











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