致してるだけです。D×Dの御前がポニテで笑顔でドSだったせいです。









現在完了進行形





あ、……ああ!


びくびくと跳ねる腰を撫でながら、宥めながら。
代わりにおろそかになった背から上へのフォローを案じる最中にも与え続ける刺激、反復。
甘い声はその糖度のまま、口にした端から溶けていく。届いているのか不安だから、いやになるくらい注ぐ。教え込む。
全てを望み通りにくれてやる。与えながら、本当にこれでいいのかといつも不安になる。
ここでいいのか。こう、やっていいのか。本当にこれが、アンタの欲しいものなのか。
アタシで、いいのか。


は……ふ、…ぁ!


宙に浮いた手に、求められたモンを絡ませようとしたせいで埋めた手が軌道を変えた。
途端捩られた腰、むずがるような痙攣に謝罪代わりの快楽をひとつ。
掠っただけなのに張り詰めた感触が伝わり、浮かべた苦笑を見る余裕もなさそうなのが意外だが、そういう日かと納得もする。
今日の祈は少しばかり、いつもの平静から遠かった。


……さえ、

…やっ!
い、…ん、んんっ!

噛むな、

や、ぁ……!


両手が塞がってる、ならばとどめられる手段は限られている。
囁くついでに噛んだ耳朶、それにも首を振られたからそのまま顔の端から唇を滑らせた。


っ……はっ、は……んく、ぁ……ああ!


苦しそうだったからすぐに解放する呼吸、もがくように求めながら、それでも喘ぐ、アタシの求め通りに噛まずに、吐き出す。
ついに目尻からこぼれた涙に吸い寄せられ、舐め取る口元が震えた。
気取られないように気をつけながら、手首ごと回した指を一番奥まで挿れれば、じわりとまた零れる涙。たたえたまま、またたく眼が、虚空を見つめながらアタシを探す。


あ、あ……しゅ、…ちゃ、…あっ


背を掻く爪が、作った傷を出来た端から広げていく、抉ってゆく。
だからこいつが必死だと、分かるのが嬉しい。顔が逸らされて、背が反って、けれどシーツにうもれた身体が逃げる場所などもうありはしない。
身体ごとずり上がろうとしたのをしばらく好きにさせるのは、優しさではない。成り得ない。


ん、……ぁ……しゅう!


やがて物足りなくなったコイツは、欲しがって震え出すから。おずおずと、戻ってくるから。
続く快楽を知って押し付ける、揺らす肢体。確認は済んだとばかりに求める激しさは、いつもアタシの予想を簡単に超えてみせる。


っ!!


それと共に漏らす声、見せる表情はもっと凄く、所詮一番なんざ決められねェのに紛う事なき最上で。愁眉にわななく唇に粟立つ肌はアタシのモンで、でも同時に。こいつが。同じものを寄越すから。欲しがるから。
欲しい。与えたい。同じ思いを、伝え合うからこんなにも絡まった中で、幸いと焦燥が同じ質量で襲いかかるのも、きっと一緒だから。
アタシに優しく、したいわけじゃねーから。


もう……ちょっと、な

あっ……っ、…ん、……しぃ…っ、あ、


アタシのことばのために声を堪えようとする祈が、愛しい。
アタシのことばを聞き届けて応えようとしてくれるのが、嬉しい。
中を緩めた引き換えとばかりに、弾くよりキツく、断続的な圧力をいちいち衝撃として受け止めてくれているときにアタシが抱く感情は。


は……ん! ぁ……しゅ、…んん…ぅ…っ… 


伝えられないから届いているのだと、理解できる。肌で分かる。
同じだけあたしも貰っているのだと、きっと届いている。


やっ、……も、……ごめ……んっ――!!


強すぎるくらいの力で距離を縮めようとして、ひと目でそれと分かる身震いと、悲鳴になりきれなかった声を吐き出して。
果てたこいつを責めたいわけでは無く、どさりと身を落とし息を荒げながらこっちを見つめてくる瞳に、ただ応えたかっただけ。


――さえ。
悪かった。

んっ! 
っん、……あ、…んくっ、

声、堪えていい

ん、んぅ……っ、…いっ!


首を振りながら、それでもアタシに素直に従って、自分の欲に素直になる、自分の望む快楽だけを追い始める態度に少しだけ安心して、けれども気は緩めずに。
閉じられた目蓋の下に隠れているものを思う。
今キツいのはわかってるから、でもどうされたいのかも知ってるから。
どんな声をあげられても続けるし、逃げるならば追いかけてやるから。


やぁ…っ、…しゅ、……そ………っは、…ねぇっ!

ああ、

いやっ! …む、っ、……ふぁっ! ん――!


ずるりと落ちた右腕が、引っ掻いていった脇腹が熱を持つ。
突っ込んだ中で一番弱いところを押さえつけられたまま、もっと弱いところすら、剥き出しで、押し当てられたまま。
暴力と紙一重の刺激を受け入れ続ける苦痛に、快楽を交えた証拠の指はかろうじてシーツを掴めたようで、背に残る腕の力が一瞬だけ緩んだ。


……あ――っ!


一息に引き抜いて、間髪入れずに陰核を捻り潰す。
目論見通り再び達しながら、落ちた手の行方は確認しないまま、今度こそまるごと奪うために唇を奪う。
くぐもった悲鳴と一緒に届く振動、あふれる涙に唾液はどう頑張ろうがまず掬いきれない。
もっとも、取り零したそれらと引き換えに、舐め取ってやりたいから腕を解かせたのだから。
身を屈めると、深化に歯止めのかかった傷がかえってじんじんと疼いた。


っん、……ん! く……ぅ、…あ、


逃げる力も意志も無いから、ただ無防備に晒されたぬかるみ。
夜目ながらでも息を呑むには充分で、余裕なく吸い付いたのはけれど流石に襞の端から。
休憩、にはならないだろうが、間断が無さ過ぎるのは無茶だし、苛めにしかならない。
祈が口元を抑えかけてすぐにやめ、自分の唾液と汗でべたついたそれを代わりにアタシの頭に押し付けてくる。無我夢中で伸ばされたせいでこめかみ間際をかすめ、あと少しずれてたら眼球抉ってた勢いに内心で冷や汗。
事故未遂に冷却される暇もなく、高い声に熱い肌、煽る熱がかかるから、押さえ込まれたその欲望に従う。ざらりと舐めて、一拍置いて、吸い上げる。


ひっ! 


溢れた、決壊した。ずっと前からこんなだったのに、こんな早くに次にいざなってしまうつもりはなかったのに。
やっぱり今日は、そういう日、らしい。いつもより過敏で、貪欲で、奪い尽くされることで搾り尽くそうとする祈に、ぞっとする。
ぞくりと、する。


ぁ……は、……ふ、…は………

……ん、


何もかもが刺激になってる時だろうから、細心の注意を払って身を離した。
わずかばかりの時間を置いて再びまみえた祈の表情は、気怠さを帯びながらまだ渇望を乗せている。
乱れきった髪を払い、額から順に口付ける。目尻に落としたら目蓋を閉じられたからその上にも。唇だけを外して、顎のラインから耳元へ。


……今度こそ休憩、な

……ん。


ゆるりとこぼれた笑顔に次いで祈の方から当てられる、贈られるキス。
両唇は閉じられないまま、塞ぐというよりは齧るようにアタシのを捕まえて更に笑う。熱い吐息がこぼれる。あふれる。
何が欲しい、と聞いたら掠れた声で柊ちゃんと紡がれた。休憩だっつうの、ぼやけばふにゃりと、心底嬉しそうな笑顔がアタシを撃ち抜く。陥落。いや、撃墜。
抱き寄せた腕の中から抜け出し、人の腿の上で転がって、だらしない笑みのまま待ち受けてくれちゃってるから。
ハダカで膝枕ってどーなん、とか軽口叩く暇も惜しんで、口に含んだ水を注ごうと、
……いやこれぜってぇ無理だろ。つーかアンタ、わかってただろ。
今度こそいつもの笑顔、というか爆笑してる奴の顔面はイロイロヒドい有様だが、タオルやティッシュには手を伸ばしてやらないことにした。
どうせすぐに、次、になるしな。









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EDループしながらぼちぼち書いてたら夜が明けました。
二期楽しみ!>D×D











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