ふたりだから、終わらないよ(りんまき)
ネクタイを、しゅるりとほどく姿が。
なんだかすごくかっこよくて。みとれてしまった。
「……何よ」
あ、来るな、と思ったタイミングでばっちりかけられる、まきちゃんのその声が。
これまた予想通りに照れ隠しとふてくされと、それから期待のトリプルコンボを決めてくれたものだから。
こっちだってついつ破顔してしまう、飛びついてしまう。
あっちだってもちろん予想してたらしく、きれいに避けられて、スッと一歩のいたその姿もばかみたいにかっこよくて。
破壊力高いにゃー。だから負けないのにゃー!
心の中でにゃーにゃーいってる自分はあんまり嫌いじゃない。
それに、ばかって返す、まきちゃんのことはだぁいすき。
とびつき、いやとびかかりつづけて4回目、ついにつかまえてそのまま押し倒した、まきちゃんからは特大級の「ばっかじゃないの!」
ばかだにゃー、それで何か、問題あるの?
「りんが脱がしてあげるにゃ」
「なんでよ!」
「まきちゃんがかっこよすぎるのがわるいのにゃは」
ぐいぐいと頬を引っ張られたせいでよだれが垂れそうになって、
あわてたのはもちろん凛の下にいたまきちゃんの方が先で、
ばっと離されたほっぺはばちん!と効果音でもついてんじゃないかってくらいにいきおいがよくっていたかった、でもおさえるのは口元にしとかないとまきちゃん怒る、こっから逃げ出されるとか絶対ヤダ!
「……もー、バカでしょ。りん」
「えっへへ、でもセーフ!」
「当たり前でしょ」
「えー、ほめてよぅ」
「…あんたの方が、かっこいいわよ」
「…んえ?」
「凛の恰好の方が。いいって言ってんの」
ぱちぱちと。きょとんとした凛の頬をもっかいぐにっと、やったまきちゃんのほおはりんごいろ。
あかくて、すごく、きれい。
「えー、まきちゃんの男装の方が、かっこよかったにゃ」
「…それ、やめて」
「それって、どれにゃ?」
わしゃわしゃと髪をかき回す。ついさっき、こっそりやったときは気持ちよさそうに目を細めてたくせに、あっという間のじっとり目。
ふくれっつら、になる前に、そのあかい頬にちゅーをするのだ。
もっと、あかるく、まっかになぁれ。トマトよりも、おひさまよりも。
まきちゃんだけの凛を、ちょーしのらせるくらい、いっぱいにしあわせな、りんだけのまきに。なって。
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タイトルはふたりへのお題ったーよりお借りしました。
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