条件反射みたい。
(夕立×由良)






ゆうだち、が。
ますます強くなったね、と言われれば面はゆいし。
とても格好良くなったね、と言われれば誇らしいけれど。
すごく変わったね、と言われると、首をかしげてしまう。





夕立は可愛い。
私の指先に唇を押し付けるとき、ちろりと燃える、赤い瞳が好き。
そのあかを隠す両の睫毛も、押し付けるより前に覗く犬歯も、可愛らしくて獰猛で、とても、あなた、らしくて。


わたしは、
みどりいろをしていたあなたのめも、すきだったわよ


唐突に呟けば、さっきまで一心に私を舐めていた、舐(ねぶ)って、いた、彼女が唇を離して赤い眼が射抜く。
きょとん、と。した瞳と同じくらい赤い舌が、ちろちろ、私の煽られきった情欲をますます燃え盛らせようとする。
無意識も無邪気も、試みも故意も、ぜんぶ、まるごと使って。
私を陥落させてくる、この子が、愛しい。


…ゆら、

いまのルビーいろも、とてもすき


どっちが、じゃないの。
どっちも、好きなの。選べないの。
欲張り、なの。
夕立、あなたよりも、ずっと。


そっか、……じゃあ。


足りないよね、ゆら。
そう獰猛に笑う夕立は、あの頃だって、きっと、同じくらい魅力的に笑っていたのでしょう。
目に見える戦果と、肉体的な改造が、よく見えすぎるから、ほかのひとはきっと、錯覚してしまう。


っ、……ん!!

あたしのこの空腹より、ずっと、
お腹すいてるよね。


ゆらの。方が。
ゆら。由良。ゆら。
私が夕立を呼ぶよりずっと多く、私の名前を呼ぶこの子は。
私が彼女に与えるよりとてもたくさん、たくさん、くれるのだ。
なにがって。ぜんぶを。


……ええ、


私は、とても、欲張りなの。
そんなこと、私以上に夕立の方が、きっとよく知っている。
あの頃よりずっと、ずっと我が儘になってしまったのは、
愛されることに溺れて、変わってしまったのは私の方だと。
賢い夕立は、力も知恵もついた、可愛くて愛しいこの子は。
とても。よく、知っている。






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タイトルはふたりへのお題ったーよりお借りしました。










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