白銀の天使赤色の小悪魔(加賀×翔鶴)
かがさん! かわいいですか?
言葉尻どころか台詞全てがひらがなに聞こえたのは間違いなく彼女が悪い。
……っ!!
脇から手を差し入れたうえでリボンを解きボタンをはずし、彼女の肌をなぞりあげている様は我ながら変態染みている、と自覚はしている。
身を捩る翔鶴は必死で声も反応も抑えようとしていて、当然に生じる堪える表情がごく間近にあるということが私をばかみたいに――まったく、どうしようもないくらいに興奮させてくる。
あなた、……、
ぅ、……っ、………!
泣きそうな顔の、ほんの一歩手前。いやいやと首を振っていた彼女に唇を寄せれば一瞬で嬉しそうに頬が緩んで口づけを待ってくれる、この子にいまもっと残酷な刺激を与えてしまいたいと思う気持ちは嘘ではなかったけれど。
この期待を裏切ることもしたくないし、あまりにあどけなく、うたがいなく私を受け入れる彼女を失いたくないと思う気持ちの方が、きょうも当たり前のようにまさった。
……かがさん、
……なあに?
………その、もっと、
…え?
………ちゃんと、したい、ので。
そんな、殺し文句を、はにかむような笑顔を浮かべながら言う生き物がいていいものだろうか。強請った代償に声を、と頼めばきっと抵抗のひとつもなく受け入れられ、素直過ぎるほどの痴態を見せてくれるのだろう。
一瞬で脳裏を廻った、妄想ではあるが現実にするに易い翔鶴の姿によって、私は知らず眉根を寄せていたらしい。少しだけ不安げな目つきで見上げてくる彼女に苦笑いで返す。あわせて抜き取った指先からぬくもりが薄れてゆくのが寂しかったから代わりに頬を包めば、それだけで満面の笑みを浮かべてくれるのだから卑怯だ。
さて、この真っ赤な仮装を私の部屋まで連れて帰るには、現実、中々骨が折れそうね。
タイツ越しにぎゅうと挟み込まれている私の脚が、もしかしなくてもじんわり湿っているからきっとニーハイの色も変わってきているだろうことはともかくとして、どうしようかしら。ああ、もう、サンタクロースだというなら、私の部屋に、私の前でだけなってくれればよかったのに、翔鶴ったら。
……いまからちょっと、がまんできる?
こくり、頷いた彼女を結局どうしたかですって?
翌年からはちゃんと私の部屋で着てもらうことにしたわよ。ご心配なく。
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