ばかになってしまった(瑞鶴×加賀)





や……っ、


小さく身を捩らせながらそんなことを言われては、馬鹿になってしまう。
加賀さんがかわいい。加賀さんがいとしい。貪るようにキスをしては、離して、その合間に懲りもせずに思う。かわいい。かわいい。ばかになってしまう。
もうすっかりのぼせた頭が恋慕のことばにさえなれなかった吐息を、ごにょごにょと呟いて落として届けたかった先にくすくすと笑われて。だってこんなの想像してなかった。想像してた加賀さんはすっごくえっちではしたなかったはずなのに、だって、こんなの、とんでもない。わたしのちっぽけな想像なんかあっけなく崩れ去ってしまう鮮烈さ。はあと息を吐かれるただそれだけで、わたしはくらくらとして、あなたに蕩けていくことしかできない。

かがさん、

なあに、とは、聞きたくなかったからまた塞いだ。返事が欲しかったわけじゃないのだ。
あなたの視線がいっとき、いいやそれすら烏滸がましい、あなたの意識が一瞬、そう一瞬でいいの。それでよかったのに。















inserted by FC2 system