山でもなく、海でもなく(如月と皐月)
ケッコンおめでとー
……ヤニ臭いわよ
おっと、失礼。
にやにや笑ってる時点で、確信犯だ。
わかっていて苦言を呈してしまう私もいい加減進歩がないとは思う。思うけど。
最近フツーに好きなんだよねえ
……さいてい。
あはは、さんきゅ。
皐月、
如月のそーゆーとこ、好き。
あのね、
だから変わんないでね。
如月は。
そういって振り向く皐月の手にはいつもの煙草と、いかにもなライター。
思わずその両方ともを取り上げて握りつぶして、投げ捨ててしまいたくなるのは、……正直初めてでも二度目でも無いから、嫌味なくらい丁寧にため息をつくまでにとどめる。
あなたはもう少し変わり方を考えなさい
はぁい。
まったく、返事だけはいつだって一人前なんだから。
ずっと一緒に組んでいた役目を、このちんけな金属の輪と引き換えに三日月に譲り渡して。
皐月だってたぶんもうそろそろ、私と同じところまで来るのだろうに、……この身になると無駄に増える書類仕事とか裏仕事とかを、私にまったく聞いてこない、探りを入れてこないところはいっそ潔いけれど姉としては随分と心配なところだ。
ほっといても大丈夫だよ、皐月ちゃんなら。……という睦月の言がなければ、可愛げのない苦情のひとつやふたつは放っていたに違い無い。
如月こそ、
こんなとこで油売ってていいの?
……そういうことを言っちゃう皐月が嫌いよ
あはは、
でもどうせ行かなきゃなら、はやく行ったげなよ。
はいはい。
…如月だなあ。
……なによ。
もう一本吸いたいから、さっさと
やめなさい。
やだ。
口ごたえについカッとなった私に、にいっと嫌な笑いを浮かべた彼女は、
煙草もライターも寝転んでいた草原に放り出して、私の背中をどんと押した。
……他人にそうやって触られるのは苦手だって、でも姉妹の間でだけならなんとか嫌悪感を持たずにいられるって、よくよくわかりきってる扱いで、私を突き飛ばした。
……いたいじゃない、
うん、
皐月の馬鹿。
うん。
これじゃどっちが姉で妹だか、わからないじゃない。
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XX15.04.03
4月分1-5ゲージ破壊。
撃破艦隊:如月(98)皐月(96)瑞鳳(90)日向(67)。
XX15.04.04
ケッコンカッコカリ13人目:如月。
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