358度包囲網(如月と睦月型)






……ただいま

おかえり!!


こうやって一斉に振り向かれることぐらいは、覚悟していたけれど。


はい、どーん

っ!?

かたまらないかたまらない、
…ほら、長月ちゃんたちも!


文月の体温があつくて、それから重い。
……彼女の体重云々ではなく、これ、絶対意図的に体重をかけてきてる。やだやだ、倒れ……っ


指名されては仕方無いな。
…それっ

おお、なかなかではないか。
……よ、っと、

……ふたりとも、もうちょっとマシな掛け声にはならないの。
如月ちゃん、ごめんね、

三日月ちゃん謝らないー!

そういうのは卯月に任せるさ

うむ。

どーせ、ぴょん、でしょ、あの子

違い無い

いいじゃないか、かわいくて

ダメっていってるわけじゃないもん

文月のそれもじゅうぶんかわいいぞ

ごまかし禁止!

…ちょ、ちょっと!


ひとの背中と腕と、……ああもう!


ほら、皐月も、

んー?
そだねえ、


じゃあ、えいっ。
気の抜けた掛け声とともに更に増える、重さと熱。
妹たちの抱擁。
遠慮なしに抱きついてくるしくっついてくる、それなのに私がとても苦手な、右腕の肘から上だけにはけして触れない気遣いは、お互い了承しているからこそひどく気恥ずかしい。


望月ー?

はいはい、


もう空いているところがそうないからか、わずかに指先をわたしの手に絡めるだけになったそれが、偶然、指輪に触れて。
あ、ごめん。呟きには反射でぶんぶんと首を振る。
……なんだか、すごく、


かっこいーじゃん、

……ありがとう。

睦月型の誇り!

…おおげさよ、

背、伸びた?

…うん、たぶん、


おー、と、示し合わせたように声が上がる辺り、やっぱりみんな、気にしてるのね。
正直あまり気にしてない私みたいなのが先に二度目の改造を受けてしまうっていうのは、ちょっぴり、心苦しくもあるんだけど。


いいね! 夢が広がるね!

ああ、希望が持てるな

戦闘時の変化もまた聞かせてくれ

もー、菊月かたい!


性分だ、とか、やいのやいの。
騒ぐのは勝手だけど、あなたたち、いい加減に。


……あの、そろそろ、

やだ、


どうしてこんなときばっかり声が揃うのよ、重石6人組。











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XX14.04.22
 如月(106)、改二化。










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