行方さがし(木曾大井)






絞られもしない照明の逆光で、霞む程度の恋慕なら良かったのに。
ろくに脱がされも、まともに緩められすらしない制服が、この子とは違うことを口実にしてくれれば、彼女に爪痕か鬱血のひとつくらいは、終わったあとに終わったという証となるもののひとつくらいはつけてやれただろうに。
そんな器用な子に育てなかったのはわたしのせいだというのなら、……いえるものなら、


…っ、……ぁ、


痛みを緩和させるために濡れることもある器官は、ぐつぐつと煮立って彼女を咥え込む。
くちゃりと粘る液体が、ただの反射で、生理的反応ならば良かったのに。


っ!! ……っ!


声は漏らさない。吐息は、あげない。
ぜんぶぜんぶ奪っていってくれればいいのに、力強いその腕で、眼光鋭い(と第三者は言うらしい)隻眼で、
いつもの、乱暴で、意地の悪い言葉ひとつ、


ねえ、さん、

……んっ、


そっと触れる指先も、縋るように見つめる瞳も、
この子にはとても似つかない、甘ささえ孕めなかった弱々しい口調の、中身も、
厭になるくらい求めるものを明確にしているというのに、……木曾ときたら。


……か、…はっ、

姉さんっ、


やさしくしないで。
怖々触れたりしないで。そんな目で見ないで。
そんな声で、姉と呼ばないで。











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