どこまでがお約束?(瑞鶴×加賀)





っ、ひゃ!?

あら、
…いいこえ、

ちょ……っと、…かがさんっ


じたばたしているところは無視。
そんな可愛い抵抗、抵抗のうちに入らない……って、ほんの少し前に言い放ってくれたのは貴女の方でしょう。
つうっとなぞった背中はなめらかで、(今日はまだ爪を立ててない、……というか、そういう体勢にしてくれなかったというか、)引き締まっていて、とても好きだ。


んっ


唇をつければぴくりと震えて、それから急におとなしくなった。
次がいつくるか、何がくるのかを想像しながら身構えているようにも見える姿は目の毒で。どぷりとわたしの脳内麻薬をあふれさせる。
このまま、襲ってしまいたいところだけど、……でも、


…っは、……も、…いいんですか?


いつも細傷をつけているところを結ぶ中間点にちゅうっと吸い付いたところでかけられる誘いは役割交代ではなくて、「さっきの続き」の二回戦。
わたしはどちらも好きで、どちらでもいいから。瑞鶴がそうしたいならそれで構わない。
昔はこんな戯れなんてできる雰囲気ではなかったし、落ち着いた後はおとなげなく喧嘩もした。そのどちらをも懐かしく思える今は、瑞鶴はわたしを何度でも求めたがる(最後からひとつ前のときだけ、物理的に一緒にイキたがる)し、そんな中で主導権の八割がたはわたしが握ってしまっている。
お互いが譲ってもいいところと譲りたくないところをさらけ出し切ってみつけた落としどころは、しょうがないなあで済ませられる妥協点が山のように入っていて、けれどどれだけ続けたって嫌気がさしたりなんてしない。


いいけど、


だから、かける、こんな言葉ひとつで。
無理やり振り向いていたような格好のまま、ぱっと花が咲くように笑う彼女はそのまま勢いよく180度回転して。


なんです?

この体勢がいいわ

かがさんがうえ?

それはどちらでもいいけど。


抱きすくめられかけたから押しとどめて、首をかしげながら期待している瑞鶴に腕をまわす。
手首をひねって、つうっともう一度背中をたどればなんとなく理解したような、(でもこの雰囲気のときは結構な確率で妙な勘違いをしてもいる、)気配が踊って耳朶をくすぐった。


じゃあ、このままで、

…ん、

手、こっちに回せます?

……うん、


先導に従った結果目の前に瑞鶴の胸が来たから首を反らせてそのまま啄めば、もー、と声がして。
どくどくとせわしなく脈打っている鼓動が彼女の状態を教えてくれているのが嬉しかったから、やさしく、したのに。


っく!


まずはさっきの仕返しと言わんばかりに背中にばかり与えられる刺激は、もうとっくに知られているわたしの弱いところを的確に虐め抜く。


ひゃ、……あ、……ぁ、
…んっ! ぁ!


いったんは落ち着いていた下腹部が、もう切なく疼き出していることも、わかっているくせに。
両方の指先で長時間愛撫されるのはそういえばとても珍しい、この体勢でという意味ならはじめてかもしれない。
反撃する余裕もそのための隙間をあける気力すら削がれて、彼女の胸に顔を押し当てながら背と肩に回した腕でしがみつく。
たぶん新しい愛液で濡れ直しはじめてもいるところを腿に押し付けたら、わたしの顔にまで伝わる笑い方をされた。


…ずいぶん、はやくないですか

貴女のせいよ、

……それ、嬉しいです。
ね、もういっかい、


ほかのところを触ってくれるなら、あげるけれど。
首をすくめることも振ることもままならないこの状態のままなら、行動でしか示してあげない。












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