やめないで、やまないで(葛城×瑞鶴)





ぱたりと落ちた涙の跡に、
こたえるすべを、わたしは、まだ、もたない。


……ずいかく、せんぱい、


やめて、といった呼称でしか。
わたしを呼べない葛城はきらい。


……ごめんなさい、ごめんなさい……!!


あやまらないで、といったわたしに逆らって。
わたしにすがることしかしらない、彼女が、いとしい。


……ふっ、………ぅっく、………ぁ、


涙と懇願と、喘ぎ声、と。
ぜんぶいっしょくたにして、わたしを求めてくる、わたしの上で、踊っている、
後輩を、葛城を、彼女をみるというのは、どうにも、イケない気分になる。


……ごめんね、

――ぁ!!


わたしに、ろくに触れられもしないくせに。
ただそれだけで爆ぜてしまう、そのくせわたしをいつくしみたがる、わたししか知らない、わたしもしらないモノを知っている、わたしばかりを見ようとする、かわいい存在。


……やさしく、して、…ね、

…はい……っ!!


彼女の瞳に、色が宿るのがすき。
彼女の瞳が、くらくにごるのが好き。
彼女の瞳へ、届けたいと思う重い思いばかりが。



っは、……かつらぎ、

……せんぱい、……ごめんなさい、
………あいしてます、……ごめんなさい……っ!!


きょうも、わたしの中に、沈んでいく。








--------------------------------------------------------------------------------------











inserted by FC2 system