レースラインはあなたの色(伊26×Saratoga)





にこにこ、にやにや。にまにまとまで言われてしまったことがある、最近のあたし。
このあいだ、ちょうど休みが合った大鯨としおいと買いにいった、ワンピースの皺を伸ばすために棚から取り出してはたいてたら、いつの間にやらみんなの視線を集めてしまっていたらしい。しょうがない、いまのあたしもずいぶん緩んだ顔をしてるんだろう。
あしたはようやく、サラっちとあたしのオフが合う日。現状じゃあたしの方が断然休暇が少ないという残念な事実(どっちにもダメージが来る)にそっと蓋をして、現実逃避からの逃避をする。


デート?

デート!


ぱあっと明るい顔が更に眩しくなったろーに、ゴーヤがうぇっという顔をして。
それにイクがしたり顔で肩をつつきハチが口笛らしきモノマネをして、イムヤがやめときなさいよというポーズを取る。
いまはいないけど、しおいならイクと一緒になってろーの方を抱きしめてただろうし、まるゆはみんなの顔を見渡しておろおろしていただろう。
あたしの大事な仲間たち。だいすき。


どこ行くの?

ないしょ!

えー、ずるい!!

帰ってきたら、教えてあげる!!

……それもそれでずるいでち、

いいでしょ、みんなもお楽しみにー!


ゴーヤがふてくされてることをのぞけばみんな笑顔、もちろんゴーヤも含めて、あたしの大好きなみんなだ。
いいじゃん、ゴーヤたちもこんどは、ダブルデートする?
あー、でもさすがにまだはやいかな。まだもったいない。まだまだ、サラっちのいろんなとこを知ってから、そういうことしたい。
だってその場は、サラっちのことを本人の目の前で思いきり自慢する場でもあってほしいのだ。だからまだだめ。それと、みんなもあたしと同じようにあした、どきどきしていてくれればいい。
ううん、あたしと同じように、なんて、やっぱだめかな。なんて言ったって、サラっちとふたりっきりで塀の外に出るのは正真正銘、あしたがはじめてなんだから。このどきどきもにやにやも、他のだれかにあげる気なんて全然ないんだ。にんげんのすがたをしてあったかくてやわらかいとびきりの空母はあのときよりずぅっと魅力的なあたしの獲物。ゆずらないから。









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