夜の滴禍(高雄×愛宕)





あ、がっ………ぅ、うぅ――っ、


高雄ちゃんが。高雄ちゃんの指が。指なんて肩にしか触れてないのに熱くて。どこもかしこも熱くて堪らないのに、触ってもらってるところだけが、更になおのこと、焼け焦げてしまいそうなくらいに苦しくって。
やだ、触って欲しい。もっと。触られてしまったら壊れちゃうけれどもうそれでもいい。いまだってこんなに苦しいのに、いまにも狂いそうなのに、もっと敏感なところに触れられてしまったらきっと気が触れてしまうだろうだけれどそれでもいい。


や、やぁ、……だめぇ……っ、


そんなこと高雄ちゃんにさせられないとほんのちょっとだけ残った理性が必死に拒絶した。少し残念そうな気配がするのはわたしの錯覚、都合の良い夢、がたがた震えっぱなしで上り詰めたまま、降りてこられない地獄。
むり。こわれちゃう。きもちいい。くるしい。左手がそろっとうごめいた、たぶん動かした彼女に意図なんてない、わかってる、わかってるのに。


ふぐっ、……っ!!


嫌だといいたくなくて、でも欲しいとも言えなくて、縋った先は高雄ちゃんの腕。もうずいぶん前から頼りっぱなしで唾液や噛み痕どころかうっすら血の色まで滲んできているのに、後ろからふわふわといい匂いをさせてくる高雄ちゃんの吐息も時折かけられる声も、どこまでも穏やかで優しい。……狂ってしまう。


おねが、……ぁ――っ!

ん、


何をしてほしい? 優しく聞かれるその声が憎い。大好きで愛しくて狂おしくてたまらない。高雄ちゃんにこんなところ見られて、つかまって、こんなにもいつも通りの愛情をかけられて。もう死んでしまいたい。ひくひくと耳が尻尾が、奥の襞が尖って震える。自分の立てる振動ですら辛いのに、たまに高雄ちゃんが膝の位置をちょっと変えるだけで悲鳴にすらなれない熱が迸るのに。
欲しい、って。言ってもわかってはくれないんでしょう。高雄ちゃん。


きゃぅ、……ひゃんっ、……っっ、ぐ、……


困らせるのは大好きだけど、こんなことで迷惑かけたくないの。不安気に揺れる瞳を見つめるのもとっても好きだけれど、いまそんなことされたら一生わたしを許せなくなるの。優しく抱きとめられているだけなのにどろどろの下着にいつ滴り落ちるかしれない愛液に張り詰めて張り裂けそうなぐらい苦しい下腹部に、気づかれてしまったらそのあと受け入れられても失望されても死んでしまうの。どうして。どうしてあんなもの。
たすけて、といえなくて噛み直した服から吸った高雄ちゃんの血は、凄く甘かった。








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某二次絵が元ネタ。無許可のため苦情等はいりましたら速攻削除します。
(PIXIVなどにも載せる予定はありません)
そもそもお題的にエロ解釈ではないかもしれませんがあの対比がとても性癖だったのでした……









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