NTR空母沼(鳳翔翔鶴飛龍赤城)と同一軸。良心枠。






全部受け止めるから、手を広げてください(瑞鶴×加賀)






……ごめんなさい


そう言って泣く恋人に、何か気の利いた言葉をかけるくらいなら思いっきり抱きしめるのがわたし。
笑いかけることはできなくても。怒るよりも、泣くよりも。せめて素顔を見られないようにして、キスの雨を降らせることのできるひとでありたいから。






ゆるすとかゆるさないとかいうはなしではなかったのだ。
すくなくとも、わたしにとっては。
だけれどそうは思ってくれなかったのが加賀さんで。
……まあそれだけならば立場が逆転すればわたしだって同じことを思ったかもしれない、けど。
本当の本当に「浮」気で火「遊び」なら、わたしだっていろいろ考えたかも、しれないけど。
そういう意味での繋がりを望んでいない相手としたんだから、わたしから言わせれば加賀さんはただの被害者だ。
わたしに縋ってきたっていいのに、……忘れさせて、とか。言ってくれれば喜んで叶えてあげるのに。
可能性はいつだって提示されてた「事故」を未然に防げなかったわたしを、いっそ責めてくれたっていいくらいなのに。
それを自分に許さないのが、自分が悪いと思ってしまうのが、加賀さんというひとで。
そんな加賀さんは、わたしの「恋人」だから。
わたしだけじゃなくて、加賀さんもわたしのことを想ってくれてるって、知ってるから。


……加賀さん、罰して欲しいんでしょ?


本当のところは、わたしは。
「そんなこと」をするつもりは、これっぽっちも無いんだけど。

ひくり、震えた加賀さん、それは、どんな気持ちから出たもの?
その表情の方は、すごくわかりやすく、解答を教えてくれているけれど。
こればっかりはその青ざめた唇から聞きたい、わたしのわがままだ。
こんなわがままこそ、加賀さんは望んでいないのかもしれない。
でも。……加賀さんは、やさしいから。
ね。言ってくれれば、すぐに。薄く開いたり閉じたりを繰り返してるそこに、苦しいくらいの熱とよろこびをあげますから。


……ええ。


すうと目を閉じて、同時に引き結ばれた唇はさっきまでの怯えとも悲哀ともまるで無関係というような風に。
――このひとの、こういう不器用で潔いところが。
やっぱり、たまらなく愛しくて、……だいっきらい。


じゃあ。
加賀さんのして欲しいことをしたら罰にならないってのも、


わかりますよね?

ささやいたら、予想よりおおきめに反応してくれたから、
首というか喉、にあてていた手をそのまますくって、深く深く口付ける。
わたしの思いも一緒に、喉元まで突き入れてやる勢いで。






どん、と、胸を押されたのは反射で、それから慌てたように拳のままの手の甲が滑って、
それからゆっくり、いっかいはシーツに落ちた手が肩に触れて、……それもやがて。おずおずと、背に回されて。
その間に何回息継ぎをしたか、加賀さんの舌を改めて吸い上げ直したか。
歯列を舐めて、上っかわの弱いとこも触れて。呻きに近いなき声を、わたしの口内に吹き込んでもらって。
ようやく加賀さんの表情が見たいという思いがまさったときには、それを浮かべてる加賀さんの顔は涙と唾液でずいぶんとひどいことになっていた。
ぐちゃぐちゃなのを確認されるの、それからそれを唇や指で触れられるの。
普段だって嫌がるんだから本当に好きじゃないんでしょうけど、今日は、だってほら。


っ……、……


きゅっと肩を竦めて、眉根を寄せて、それでも耐えてる加賀さんは。
なんだか本当にわたしの罰を受けてるみたいで、背筋に怖気が走るくらい魅力的だけれど同時に胸をちくちくと刺す痛みがある。
わたしは、こっちの方を、大切にしたい。
だから目元にたまった涙を吸い取ったあとは、今度こそやさしいキスの雨。
いちいち濡れた音が立つのはやっぱり恥ずかしいようで、加賀さんの頬や首はどんどん赤くなっていく。
あー、かわいい。
だいすき。


…かがさん、


髪ゴムをほどいたら、この先に進みますよって合図だから。
もう朱に染めるところがなくなっちゃったからなのか、目元までを赤らめた加賀さんに次の罰を。


脱いでください。

………え……?


身を起こすときに振り落としちゃった腕を、邪険にするつもりはありませんでしたっていう口づけは愛撫には程遠いものだったのに、……こんなところまで熱をもっちゃって。
これならもういっそ、爪の先まで色づけるんじゃないですか?
わたし、そんな加賀さんがすっごく見たいので、


…わたしの?

ええ。

……あかりは、

だめです。

………ん。


初めてではないけれど。とても珍しくはある、羞恥を煽るためだってお互いわかってるお願いで、行為。
受諾の声は小さな吐息で、だけど雄弁な眼が潤みながら承諾をにじませたから。
まるで王子様にする誓いのキスみたいになってた(……自分でそう思ってちょっと笑ってしまった、)加賀さんの手とそれに触れていたわたしの手は、そのまま彼女を起き上がらせるお手伝いのための接触に役目を変える。
……あ、変な風に笑ってしまったせいで、余計に煽っちゃいました?


…ずいかく、

なんですか?

……どこまで?

して欲しいところまで、どうぞ?

……っな、


ごめんなさい、意地悪でしたね。
でもそう言ってしまったら、加賀さんの罪悪感をますます増長させてしまうだろう。
だからごっくんした軽口を、いつもなら叩き合いながら、だから。
なんとか耐えられていたのだろう加賀さんは、今日は下のニーハイを脱いだところで完全に固まってしまった。
胸を隠すのは無駄だと既に悟ってるようで、これまで脱いだ衣服を、……前回したときは軽口と一緒にわたしに渡してたけど、それも。今日はできないって思ってる時点でじゅうぶん内罰的だと思うし、……あー、たぶんショーツとスカート、どっちから脱げばはしたなさを軽減できるかどうか考えてるような顔してる。
一緒に脱いじゃえば恥ずかしいのは一回で済みますよ、なんて、軽口を叩かなかったのはわたしの喉は興奮でカラッカラだったからだ。
こんなの、興奮するなって方が無理だ、って。いつもだって思うのに。


…ずい、……かく、

はい。


結局スカートから落とした加賀さんは、最後の一枚(つまりショーツ)を生真面目に畳んで。
いっしきまとめて、畳の上に重ねてから、ようやくわたしと視線を合わせてくる。
演技も取り繕いも必要無しにこぼれた笑みが、加賀さんに届いたことは彼女がくしゃりと歪めた顔つきですぐに知れた。


じゃ、


今すぐ飛びつきたいのを我慢して今度は少しだけわざとの混ざる笑いかけを。


今度こそ、脱がせてください。

っ!?


息を飲んだ加賀さんの手、今度も王子様にキスを送るときみたいに抱え持って、今度は私の髪紐にそっと当てて。
加賀さんだけ脱ぐのはフェアじゃないでしょ?
それにわたし、今日はあなたにありとあらゆるかたちで触れたい、触れられたい気持ちでいっぱいなんです。


……いいの?

わたしで、なんて言わないでくださいよ。

……いまの、わたしが、

一緒ですから、それ。


このひとが。
赤城さんにどんな風に抱かれたかなんて知らない(知りたくないわけじゃないけど、知らないままでいい)けれど。
少なくとも赤城さんの服を脱がせたりはしてないんじゃないだろうか。
さっき、自分の服に手をかけていたときより更にゆっくりと伸びる指先は、さっきほど染まってないけどさっきよりずっと、緊張してる。
「上書き」したいなら、それで加賀さんの気が済むなら、今からだってシャワー室に担いでいって全身、洗い直してあげますけど。
でもそれじゃわたしの気は済まない。


……ふふ、

…や……


そっと動かされていく衣擦れの感触も、そんなことをひどく慎重にしている加賀さんも。
気持ちよくて心地良くて、でも軽口にしてしまうのは逆にもったいなくて。
万歳や前へならえをしたあとで上半身が解放されたあとは、ゆるゆる、加賀さんの髪を弄ぶ。
隠せない顔、ひかない熱、落ち着きなく動く目線と吐息。
ぜんぶ目前にあって、わたしのものだ。
ひょいっと腰をあげたらショーツとスカートがいっしょくたに脱げていった。
あー、加賀さんずるい。


っん!


わたしの服の行方なんてどうでもいいから、全部脱げたところで今度こそ思いっきり抱きしめる。
遠慮なしにできる抱擁、わたしより加賀さんの体温の方が高いのが嬉しくて。わたしすら苦しいくらいに接触したままでキスして。押し倒す、んじゃなくて横たえる。


……すき、

うん、わたしも!

……ぁ、


言うつもりなんてきっと無かったのだろう、加賀さんがひどく後悔した表情を浮かべきってしまう前に。
本心からのことばを加賀さんに届ければ、……ほら、わたしたち、これからだってなんとかなる気がしませんか?


っ!!


興味本位で差し入れた手は、すぐに加賀さんの太腿に思いっきり挟み込まれる。
そのままかたまって、どうしようという顔をして。止まったままのわたしに、一瞬、恨めしそうな上目遣いをくれて。
そんなの正直ご褒美でしかないんだけど、それすら反省と後悔の材料にしてしまうような加賀さんは、それからゆっくりと脚に込めた力を緩めてくれた。
いま、これ以上触れたり、まして無理やり進めたりなんかしませんよ。
ちょっとくらい痛い方が、加賀さんは安心するのかもしれませんけど。
それを許さないのが、わたしがあげられる、加賀さんへの罰ですから。
主にさっきまでの恥ずかしさからだろう。しっとり湿っていたそこから引き抜いた右手を、自分の口元に持っていけば予想通りに加賀さんは顔を歪める。
やめて、と、唇が小さく動いた。

いつもだって直に舐めてるし終わったあとにもこうやってるし、……まあその度ごとに加賀さんはいやがるし逃げたがるけど、
本当に苦手で無理なことならちゃんとそう言ってくれたはずだし、結局なにかしらの言い訳をぼそぼそ呟きながらわたしの髪を梳くような真似はしないだろう。


ん――!


その手はひとまず加賀さんの顔近くについて。
視線をしっかり合わせたあとで胸の先に吸い付けば、脳天をたまらなく痺れさせる、鼻に抜けた声。


…は、…ぁ……


気持ちよさそうで心地よいと思ってくれている、でも一番は安心したかのような吐息は、今日は抑えられずに呆気なくわたしに差し出された。
必死でこらえてる声も表情も、もちろん嫌いじゃありませんけれど。
…ああ、すっごく気持ち良い。心地良い。
安心、する。
舌先で、転がすというよりは舐った。ひとしきり弄って解放して、頬をすり寄せたら頭に落ちてくる呼気はくすぐったそうだった。



…瑞、かく、

はい。


……そうじゃなくて。
って、いうような気配が、頭上でもくもくとしている。
言い出せない加賀さんは、でもわたしの名前を迷いなく呼んでくれたから。


…はい。

……っふ! …ぅあ!


わたしの両膝が入ってるから今度こそ閉じれない太腿、もうすっかり濡れそぼっていて。
触れる前からもどかしげに動いてたし、わかりきってたことだけど。
わかりきってることこそ、何回でも飽かず確かめたくなる。
不安なわけじゃないのに欲しがる安心は、満足と言い換えても良い。
限りなく自己満足で、あなたにあげられる精一杯の愛。


……や、…ぁ、

ん、

…っや! ずいか、……っ!!

ふふっ、

っば………、…ん、…んうっ、


音が聞こえるし目の前の肌の震え方からしても、湧き上がった羞恥と快楽をどうにかして逃がそうとして首を振ってるんだろう。
恥ずかしさから出た拒絶はなんとか押さえ込んで、諦めたかのように小さく喘ぎ声を漏らし始めた加賀さんの顔、正直すごく見たいけど今の私は足の付け根からずいぶん遠くまで流れてきていた愛液を啜るのに忙しい。
顔じゅうと、胸と。喉と髪と手の甲と指先と。キスする場所が、たったそれだけでいいはずなんか、無いでしょう?


…うぅ……


お腹周りにすれば、どう力をこめればいいのかわからないという反応をされるのは、いつも。
そろそろ落としどころを見つけるかもと思っていたけど、まだしばらくは慣れきらない加賀さんを楽しむことができそうで。それが面白くってしつこく口付ければいつもなら怒られるけど今日はきっと許しきってくれ、ますよね?
お臍よりは脇腹の方が反応が良い。右よりは左。左側に唇を落としながら右っかわを指先で擽ると、細い悲鳴みたいな、繋がってるときの嬌声みたいな声をあげる。
今日はそれを聞いたあとも、しつこく両側を弄り続けた。ひくひくうごくお腹、力を籠めれば楽になれるというわけでもなさそうで。届く声が涙声になってきたところで右手をつぅっと下生えにすべらせ、そのまま通り越してあげれば期待した吐息が漏らされる、から。
そっと離した唇はもう一度胸に。さっき口内に含んでたのとは逆の方を不意討ちで吸い上げる。


ふあぁっ……!
………や、…あ……


それで小さく達してしまったことは、やわらかい肌が一瞬硬直して、苦しげに痙攣したことで知れた。
わたしの髪に埋まってた指に力が込められたせいで一層胸元に引き寄せる形になってしまって、それでも歯を立てなかったわたしに安堵と物足りなさを抱えたような声が、届いて。


欲しい、ですか?

…ほ、し……


半分は無意識のうちにオウム返しに繰り返しただけのような、おねだりだった。
それからかあっと、赤くなったのだろう加賀さんを見たくってあげた顔、ばっちり、加賀さんと視線が絡む。
これ以上赤くなりようがないからか、目尻からあふれた涙は拭うために唇を遠征させてしまったら、拗ねさせてしまうかもしれない。
今日は素直に拗ねてはくれないだろうから、そういう感情までを加賀さんに溜め込ませて、負担かけるわけにはいかないから。
伸ばした手に合わせてそっと閉じられる瞳、泣きはらしてて目元まで真っ赤な目蓋に震える睫毛をみると、ああ、好きだなぁって思う。


…、ぁ……、ふ、……、

加賀さん。


だいすき。
何回だって言いたい。
何回だって、言ってあげる。
土手の辺りにしか触れていない指を、欲しがってもどかしげに揺れる腰が愛しい。
焦らしてるつもりはない、ただ、丁寧に、してるだけ。
すきって言いながらしたいから、それがまっすぐ届く状態でいてほしいから。
我を失って求めてくるようなのは、……そりゃあ嫌いじゃないけど、また今度でいいから。
今日は。わたしのこと、好きって思いながら、想い続けながら何度でもトんで欲しい。


…っく、…ふ…、…ずいかく、
……ずいかくっ、


唇をつけては離し、離してはつけ。交代ごうたいで乳首を可愛がっていたら、ついに非難の混ざる悲鳴が耳に落とされた。
それを堪能してから、やっと。いっかい口元にもっていく必要もないほど濡れている指先を、熱源にもっていくわたしの頭は、もうずいぶん前から一体どうすれば加賀さんの甘い声が聞けるのか、そればかりを考えている。


っあぁ……!


関節ひとつ分だけ埋めた指を、細かくゆらせばそれだけで加賀さんの首が反った。
……胸元にちゅーするのは、そろそろいいかな。一緒に触れられるなら、中にいれた指の動きに引っ張られちゃう親指の腹でより、唇でされた方が、うれしいですよね?


ひ、…ぃっ、……ああぁっ!!

ん……ふ、


一応はつながっている状態で今度こそはっきりした波を越えた加賀さんは、まだ一本(未満)しか入ってないわたしの指をそれでも痛いくらいにぎゅうぎゅうと締め付けた後で、ぐったりと身体を弛緩させた。


…かがさん、

……は、…ぁ、……ん、
……ず、か、……あ、……ぁ、


気持ちよさだけが残るように、慎重に。
……ああ、これ、全部抜いちゃったらシーツぐっちゃぐちゃにしちゃうだろうなぁ。
どうせ最後には抜くんだから、ぐちゃぐちゃになるのは変わんないんだけど、指の先に届く圧力に苦笑いしながら、……すっごく嬉しいって、思いながら。
加賀さんがよりはやく落ち着くようにっていうのは口実で、自分がしたいからぐっと背筋を伸ばして降らせるキスは、唇に一回触れたあとはさっきまでより上の方を中心に。
額にぺったり張り付いた髪、その上からも口づければ熱っぽい吐息が顎のあたりをふわりとあたためた。


んん……っ!

ね、
…いい?

き……か、…ないで、

いやですよ、

……い、から、


好きにしてと告げる瞳に、口に。
応えた結果がこれですから。
次は、ちゃんと。
しっかり二本分は交わった状態で、ぎゅうっと抱きしめ合ったところでイカせてあげたいので。
それまで休憩は無しでいいですよね、と目で尋ねればこくりと動く応(いら)え。
思わずこぼれた、懲りない、「好き」に。
こくこくと、頷いてくることで返してくる加賀さんは卑怯なくらい、可愛い。







……すき


だいすき。
……たくさん言われて、言葉でも行為でも示されて、表されて。
いったい体温はどこまで上昇できるのだろう。それすら怖くなるくらいの恥ずかしさと嬉しさ、……それから、快楽に包まれて。
無理やり抱いてくれるくらいで良かったのに、傷つけてくれれば、いっそ、安心できただろうに。
そんなわたしの弱さまで見透かしていたのだろう瑞鶴は、最後までわたしを丁寧に扱いきって、苦しいのに心地良い、気持ち良すぎるとしか言えない絶頂にわたしを導いた。
快楽以外の理由でこぼそうとすればすぐに拭われる涙、ふとした仕草をトリガーにして思い出す恐怖心が暴れだす前にやさしすぎるくらいやさしく触れられて、触れられ続けて消されていく瑞鶴からのものではない刺激の記憶。
あのひとを拒絶、できなかった。それなのに拒絶しかできなかった。
瑞鶴が教え込んだ刺激への反応は、愛慕という感情が介在しなければただ苦痛でしかないものだと。
思い知らされて、最後にはただ泣くばかりだったわたしを赤城さんは、ずいぶん興が削がれた眼で見つめていた。
――つまらないわね。そう呟いたのに傷ついたのは、赤城さんを敬愛している自分だったのか、それとも。
赤城さんの性格を、習性を。恋人を、彼女たちがゆるしあっている「発散」を。
知らなかったわけではないけれど。
諫言することができなかったのがすでにわたしの弱さで、まさか自分にはと思っていたのがわたしの罪だ。
瑞鶴は、それを罰しては、くれなかったけれど。


ん……


裸のままの彼女に寄り添えばかすかにこぼされた吐息に、途方もない安堵と幸福を覚える自分は、彼女の強さに甘えすぎている。
終わったあと、ふたりでゆるやかに眠りに落ちて。
それからこうやってふっと目覚めてしまうことがあるのは、自分でも少し残念なところで、ああ、でも。
朝がわたしより強い彼女の無防備でしあわせそうな寝顔が見られることだけは、(あと、気を失うように寝落ちたときの後始末が夜のうちにこっそりできるのは、)悪くないと思っている。
唇と唇で口づけをするのは明日の朝にしよう。
どんなに渋い顔をされたって。明朝、もう一度だけ、ごめんなさいと謝って。それから、わたしから。
こめられるだけの愛情を籠めて彼女に触れるのだ。
あなたがいいのって、これからも、言い続けられるってわたしとあなたに証明するために。





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